インタビュー:株式会社ジェイエムシー
聞き手:株式会社イーフロンティア 代表取締役 安藤健一
ー安藤:いつ頃から始められたのですか。
ー渡邊:2000年頃より光造形装置を導入しまして、試作品などの製作事業を始めました。工業製品だけでなく、オモチャの試作品なども手がけています。
ー安藤:御社はアルミ•マグネシウムなどの鋳造工場をお持ちですよね。御社のルーツはそもそも3Dプリントではなく鋳造がメインだったのですか?
ー渡邊:いえ、違います。光造形、3Dプリンター成形が先で、鋳造工場は2008年に設営致しました。すでに鋳造を様々なクライアントから引き受ける企業というのはどんどん海外に行ってしまって、日本では少なくなってきています。スピードが必要なクライアントにとっては相談相手がどんどんいなくなっています。私共は試作品を引き受ける立場から、クライアントが直面する問題点を感じまして、そこで試作とスピード重視の鋳造を提供することにしました。スピード命です。本社が新横浜駅付近にあるのもそれが理由です。名古屋や大阪までならすぐに持っていけます。
ー安藤:医療部門が充実されていますね。少し教えてください。
ー渡邊:スピード重視のスタイルが、医療分野の成形に合っているのだと思います。
医療分野は「monoroid」というブランドで提供しておりまして、このサービス領域は私共の個性にもなっています。
医療分野の3Dモデルはお医者さんを育てる教育の分野で非常に活躍しています。臓器のモデルに実際にメスを入れてシミュレーションをしたり、様々な部位の違う血管の構造を確認したり、オペのトレーニングに利用されています。
素材にも相当こだわっておりまして、メスを入れたときの感じ方、弾力性も実物に近いとご評価頂いております。
手術の練習や教育用サンプルとしてだけでなく、手術前のCTスキャンデータの3Dプリントも担っています。2Dの画像データだけではわかり難い部位の確認を容易にするなど、いろいろな問題を解消できているようです。
開頭手術前に、実際の患者さんの頭蓋骨を出力し、画像データだけでは不明瞭な部分を再確認できます。医師にとってこれは非常に有効な手段です。聞くところによると手術時間が大幅に短縮できるらしいです。ただし頭蓋骨をあけるような手術は待ったなしのシチュエーションも多いようで、我々もスピード感はとにかく重要です。
ー安藤:JMCは鋳造や医療分野の専門性も持つ3Dプリントサービスをするということは高度な専門家向けが中心でしょうか?
ー渡邊:いいえ、違います。我々はかなり安価な部品やホビー用途の3Dプリンティングサービスも引き受けています。3Dデータの作成も引き受けております。例えばペットの写真数枚から3Dデータを作成して3Dプリントしてほしい、などの要望にもお応えしております。一般の方から幅広いリクエストを頂戴することは非常に重要です。どんなことをお望みなのかいろんなお話を聞くことで、JMCの未来像も変わります。Shade3Dのユーザー様からいっぱいお話を聞きたいと願っています。どんどんご注文ください。
文責:SPEED株式会社 笹渕正直
株式会社ジェイエムシー
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