インタビュー:モノ作りをするみんなと革命を
今回のインタビューは、株式会社DMM.comの提供している3Dプリントサービス「DMM 3Dプリント」のパートナーとして専用プリンティングセンターの運営、管理をされている株式会社nomadの代表取締役 小笠原治さんを訪ねました。
「ものづくり」に対する強い情熱を感じました。ぜひご一読ください。
聞き手:安藤健一
(株式会社イーフロンティア 代表取締役)
―(安藤)これだけたくさんの3Dプリンターが並んでいるのは壮観ですね。
(小笠原)この西麻布のスタジオには樹脂と石工で出力するタイプのプリンターをメインに設営してあります。また、大阪市の千里中央には特殊な材料、例えばチタンやステンレス系の素材や700×500×380mmまでの大きさの造形が引き受けられる施設も用意しています。渋谷、西麻布、大阪、今年度中には北九州の小倉にもデータ制作と出力の拠点を予定しています。
―かなり守備範囲の広いサービスを目指しておられるのですか?
最近の3Dプリンターの活用をされる方はいわゆるメジャー級の生産現場のみならず、ベンチャー企業やホビー用途など、よりコンシューマ寄りの活用でもブレイクしつつあります。 我々はこういったベンチャー企業やデザイン事務所、そして個人の方に向けたサービスを充実させていこうと考えています。
センター長 吉田さん
そうなると対象となる出力データの分野も多岐にわたるわけで、データをお預かりする我々は、より専門的な知識をマルチに持っている必要があります。クライアントのデータを実際に3Dプリンターで出力する際出るエラー補正やデータ修正なども、我々が可能な限りお手伝いしています。センター長は長年3Dプリンターの企業導入および生産現場でのワークフロー確立に尽力した経験を持っております。こういったサービスビュロー的なサービス部分はやはり経験を積んでいくことが大切で、我々自身が日々お客様の要求と格闘する中で強化されています。
―お客様からお受けして印象に残るデータはどんなものがありますか?
プラモデル買ったときに箱を開けるとランナー付き(部品の外枠)で入っているじゃないですか。自作で部品配置まで設計して出力されたのですが、かなり詳細な部分まで形状のディテールが設定されていて、市販のプラモデルでは観たことないほどの!これには日本のモノ作りの奥深さを感じましたよ。 その他住宅のミニチュアでも凄みを感じた作品があって、内部の詳細な部品や着色まで再現しました。商用ではそこまで細密な住宅モックアップの必要性はないでしょうが、愛着があってこその作品ですね。
―なるほど。お客様の情熱を共感することがこの現場でも大切なのですね。それにしても御社の対応能力にも凄みを感じますよ。御社の3Dプリントサービスを受けるにはどうしたらいいですか?
はい。個人の方はもちろんですが、ベンチャー企業の経営者はこのモノ作りに人生をかけているわけですから、当然に熱いわけです。 同じ温度で我々自身も日々精進しております。現在、お申し込みからお届けまで、7日から9日で提供しています。
Copyright © since 1998 DMM All Rights Reserved.
我々が提供するこのサービスは、最近多くのメディアで取り上げていただいておりまして、主に株式会社DMM.com様などと共同で運営しております。
「DMM 3Dプリント」というサービス名称で開始しており、我々がプリンティングセンターの運営・管理を行っております。
DMMのキャッチフレーズ、
「ネットで申し込んで自宅に届く」
のように快適さ手軽さを実現したいと考えております。もちろん価格も世界標準の手軽さで提供していきたいです。
―小笠原社長はこの3Dプリントサービス以外でもベンチャー企業のご支援をされておられることで有名ですね。少し教えて頂けますか?
実は株式会社nomadはモノ作りに立脚するベンチャー企業の育成が主なミッションです。
我々が育成したいベンチャー企業像は、まず個人でコンテンツを作る方がクラウドソーシングを活用し、多くの参画者とともにメジャーになっていくイメージをもっています。我々はそのベンチャー経営者に対して必要なパーツを揃えて提供していく任務があるわけです。結局それは一緒にがんばろうとする多くの仲間、パートナーということになりますが、目に見えるインフラとして24時間年中無休で3Dプリンターをフル稼働する環境づくりが不可欠だと考えておりましたことがこのサービスを行うきっかけになっております。
―ベンチャー企業を興して革命を起こす仲間のためにも必要だったのですね。さて、Shade 3Dがこの7月のバージョンアップによりSTLファイル対応になります。ぜひShade3Dユーザーの皆さんのご支援もお願いしますね。その他われわれに対する技術的部分のリクエストなどもございましたら教えてください。
すでに多くのShadeユーザー様からもオーダーを頂いています。Shade3Dを使って、日本から世界へ発信するモノ作りをどんどんしてもらいたいですね。Shade3Dユーザーの皆さんとますます交流が出来ることを願っていますよ。
どんな3Dツールで作っても、3Dプリントしようとするとデータのエラー補正は避けては通れません。Shade3Dの中でエラー補正やポリゴン数の最適化など、ある程度のことが出来るようになれば、他の修正に必要なデータ修正ツールでの作業が大幅に短縮されます。元来モデリングには強いツールですし、我々にとっても最強のツールになるはずです。Shade3Dで制作したデータを、ボタン一発でうちの3Dプリントサービスへオーダー出来るようになったら楽しいと思いませんか?
かたちになる喜びをもっと多くの方に体験してもらいたいと願っています。われわれの強力なサポート体制にご期待ください。
―なるほど。ご期待くださいませ。3Dクリエイタと一緒に3Dプリンティングサービスのためのクラウドソーシングも創りましょうか!本日はありがとうございました。
小笠原治
株式会社nomad 代表取締役。
awabar及びNOMAD NEW'S BASEオーナー。1990年に京都の建築設計事務所に入社。
1999年 、さくらインターネット株式会社設立時に取締役として参加。
1971年京都府京都市生まれ。
Shadeの新バージョン「Shade 3D ver.14」についてご興味のある方はこちらをご覧ください。