Shade 3D の使い方
第2回 ネジの作り方 2 -上下をたいらにする-
第1回に続き「ネジ」の作り方をテーマに手順をご紹介しています。Basic版でも出来る手順です。
前回らせん形状まで作成しましたので、今回はその上下をたいらにしてフタをする手順をご紹介します。
たいらにする方法には自由曲面のまま行う方法、レンダリングブーリアンで行う方法、ブール演算で行う方法などがあります。
それぞれについて1回で説明すると長くなりますので、数回にわけてご紹介します。
今回はレンダリングブーリアンをつかってたいらにします。この方法では同時にフタも作成されます。
レンダリングブーリアンは、形状名に記号を付けることでくり抜きや統合などのブール演算結果でレンダリングすることができる機能です。
形状そのものはブール演算で編集されませんのでブール演算結果が変化するアニメーションなどを作成することもできます。
くり抜き用の形状を円柱で作成します。
くり抜く位置を決めるために、自由曲面の上から5つ目の線形状を選択します。
コントロールバーの図面モード切り替えポップアップメニューより、形状編集モードに切り替えます。
正面図、または右面図で選択した線形状の一番下のコントロールポイントをクリックしてカーソル位置をセットします。
マニピュレータが表示されていてクリックしにくい場合は「h」キーを押すかコントロールバーよりマニピュレータを非表示にします。
ツールボックス>作成>形状グループ>一般>「円柱」を選択します。
上面図で原点かららせん形状よりすこし大きめの円を作成します。
つぎに正面図でらせん形状が収まる位置まで下にドラッグします。
ドラッグするときにシフトキーを押しながらドラッグすることでまっすぐにドラッグすることができます。
ツールパラメータの「確定」をクリックして円柱作成を終了します。
「*」記号でくり抜き用形状にします。
ブラウザの「ブーリアン」ボタンをクリックし、ブーリアン記号一覧を表示します。
「円の掃引体」が選択されていることを確認し、一番左の「*」をクリックします。
「*円の掃引体」に名前が変更され、くり抜き用形状となりました。この形状とほかの形状が重なっている部分がこの形状の形でくり抜かれます。
らせん形状をくり抜きます。
透視図でらせん形状全体が見えていることを確認して、レンダリングメニューから「レンダリング開始」をクリックします。
らせん形状の下側がくり抜かれているのが確認できますが、不要な形状が残っています。
これは、らせん形状に厚みがなくレンダリングブーリアン、ブール演算ともに厚みの無い形状では正しく計算できないためです。
らせん形状に厚みを付けます。
自由曲面を選択し、optionキー(mac)/controlキー(win)を押しながら右矢印キーを押して中の線形状すべてを選択します。
形状情報ウインドウで「閉じた線形状」にチェックを入れるとすべて閉じた線形状に変更されます。
自由曲面の一番上と一番したの線形状を選択します。
ツールボックス>作成>移動/複製グループ>「直線移動」を選択します。
図面のどこかをクリックすると図面で同じ位置に線形状がそれぞれ複製されます。この線形状でらせん形状の端を閉じます。
クリックするときにマウスが動いてずれた場合は編集メニュー>取り消しでやり直します。
自由曲面の一番上の線形状を選択します。
ツールボックス>編集>線形状>編集グループ>「一点に収束」をクリックします。
端の線形状が一点に収束し、穴の開いていた端がふさがれます。
同様に一番下の線形状も一点に収束します。これで自由曲面が閉じたチューブのらせん形状となりました。
レンダリングして確認します。
再度レンダリングして正しくくり抜かれていることを確認します。
透視図の表示をプレビューレンダリングにすることで、リアルタイムでレンダリングブーリアンの結果を確認することができます。
上部をくり抜きます。
同じように下から6つ目の線形状の一番上のコントロールポイントを基準に円柱を作成して上部もくり抜きます。
下のくり抜き用に作成した円柱を複製移動して上部に配置することもできます。
らせんをなめらかにします。
自由曲面を選択し、右クリックで切り替えを選択します。
自由曲面内の線形状が交差方向を構成する線形状に切り替わります。
ツールボックス>編集>線形状>編集グループ>「スムーズ」を選択して線形状をなめらかにして完成です。
スムースをかけることによりらせんの端が円柱からはみでる場合は、円柱を拡大して調整します。
レンダリングブーリアンにはくり抜き以外にも種類がありますので、機会を見てご紹介していきます。
次回は自由曲面のままたいらにする手順をご紹介します。
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