Shade導入事例インタビュー Vol.08 ICSカレッジオブアーツ
今回は、学校法人 環境造形学園 専門学校ICSカレッジオブアーツにお邪魔してきました。ICSカレッジオブアーツは、日本で最初のインテリア専門校として知られており、今年で50周年を迎えるそうです。取材にご協力いただいたのは、インテリアデザイン科、学科長の戸國 義直(とくに よしなお)先生です。
-戸國先生、本日はよろしくお願いいたします。戸國先生には、Shadeの解説ビデオ『Shadeチュートリアルビデオ初級編』を制作・監修していただきました。その節はありがとうございました。
さっそくですが、御校でのShadeの授業内容と解説ビデオでは、内容が異なるのでしょうか?
そうですね、別物と言っても良いほど違います。もちろん内容の良し悪しではなくて。チュートリアルビデオのほうは、Shadeや3DCGに初めて触れるユーザーさんでも、基礎を学ぶことができるようにと考えて制作しました。
”初級編”という名前のとおり、ひとつひとつの操作手順を省略しないで解説しています。
対して、当校の授業で教えるのは、2年次の後半からですので、
戸國先生が制作・監修された初級チュートリアルビデオ
-学生一人ひとりに合わせた課題提供や指導を行われているということですね。ところで、先生の授業は学生に大人気とうかがいましたが、その理由は何でしょうか
私の授業では授業内容(操作の内容)をすべて録画してストックしているんです。受講生は、いつでも何度でもビデオを閲覧できるようにしました。これが好評で、聴きのがした箇所を聴き直したり、操作の難しい箇所を止めて見たりという具合に、繰り返し学ぶことができるので、授業内容の理解や記憶への定着が良いようです。
この、ビデオを活用した教育の効果に着目したきっかけは、Shadeのチュートリアルビデオを制作した経験があったからです。
-授業は一度しか聴けないのが普通でしたからね。
そうですね。私の授業を受けた学生には、一回授業を受けたら終わりではなく、基本的な機能を何度でも繰り返し学んで欲しいと考えています。
-受講生も、録画されていると思うと授業に身が入るんじゃないですか?
生の授業をまるごと録画していますから、(私が)学生に怒っているところなんかも録画されているんですが、なぜか好評なんですよ(笑)。そういう記憶と関連付けされて、学んだ知識も一緒に身につけているのだろうと思います。
-Shadeの授業についてお聞かせください
Shadeの授業は特別講座として2年時の後半から始めます。Shadeを習う学生は、それまでの講義でIllustratorなどを学んできていますので、Illustratorのベジェ曲線のハンドリングと、Shadeの自由曲面の操作が一緒だよ、などと既に習得している知識や情報と関連付けて説明すると理解しやすいようです。
-学生作品を拝見できますか?
こちらが、今年卒業したインテリアデザイン科の3年生、仲田裕貴(なかたひろたか)君の作品です。基本的に全部Shadeで作っています。
本レポートでご紹介した数点の作品は、すべて仲田裕貴さんの作品です。
-Shadeの良い点はどんなところでしょうか
Shadeを習い始める頃に、学生はインテリアのことをひととおり学んできています。その段階からShadeの講義に入ることにより、3DCGを通してインテリアというものを再認識できる効果があると思います。
特に成果が現れていると感じているのは照明効果の学習です。光には直接光と間接光があって、光源の場所や、数、高さなどを変更することによってインテリアの雰囲気が変わります。3DCG教育では、照明の原理やインテリア空間の原理のようなところを伝えられるのが良いところだと思います。
そんな理由から、Shadeのパストレーシングは間接光の表現が素材と同じように重要だということがことがよくわかると思うので、処理に時間がかかっても授業に盛り込んでいます。この授業で間接光の重要性が理解できて、「やっとインテリアの本質がわかった」と言ってくれる学生がいるのが、教師として一番嬉しい時ですよ。
また、インテリアは素材の質感を意識しなくてはいけないので、テクスチャーマッピングも大事です。多重マッピングが制限無くできるのも良いですね。それと、導入金額が低くて手軽に綺麗なレンダリング画像が得られるのも、大きなメリットだと思います。
これからShadeを習う学生にとって、UIはとっつきやすくなりましたね。アイコンの形がわかりやすくなっていますし、シングルウインドウで連結していてコントロールウインドウがバラバラにならないのも、助かっているのではないでしょうか。
-本日はありがとうございました
インタビュー後記
戸國先生、ご多用のところインタビューに応じてくださり誠にありがとうございました。
ICSカレッジオブアーツの特徴として、産学協同プロジェクト、学外展示会への参加、公開コンペティションへの応募、インターンシップなどがあるそうです。戸國先生は、「学生はそのようなプログラムを通じていろいろな人と会ったり、さまざまな仕事を経験して、きっかけを作って成長していくので、それをサポートするのも私達の役目です。」とおっしゃっていました。先生が学生と社会をつなぐ重要な役割を果たしていることが良く理解できました。
Shade 3Dについてご興味がある方は、無料体験版を用意していますのでぜひご利用ください。