Shade導入事例インタビュー Vol.04 法政大学
建築設計・デザインをより理解しやすくするためにShadeを活用
今回は、法政大学デザイン工学部建築学科、安藤直見教授の研究室にお邪魔してまいりました。建築学科では、長年にわたり授業でShadeを活用してくださっており、優れた成果を上げておられます。
安藤教授は、1学年あたり約140名の学生に授業をおこなわれています。
【編】Shadeを使った授業とその内容についてお聞かせください。
「デジタルスタジオ」という演習授業でShadeを使っています。
「図形の技術」「建築のしくみ」という授業でも、Shadeで作った教材を使っています。
演習では、学生がCADで制作した2次元データをDXF形式でShadeに読み込み、立体化したパーツを組み合わせながら、コンピュータ上で建築を組み上げる手法を学んでいきます。
【編】Shadeを導入してくださった理由をお聞かせください。
建築図面は縦・横・上面からの3面図ですが、学生には空間内の配置をイメージすることがなかなか難しい。3DCGを利用することで、斜めからの俯瞰でも見ること(パースペクティブビュー)が可能になり、理解しやすくなると考えました。建築を複数の部品の組み合わせと捉えれば、CGのモデリングプロセスは、建築のプロセスを理解することに通じるものがあります。また、モデリングを学んでからテクスチャやライティングを学ぶことで、形態以外に空間を成立させているさまざまな要因を系統立てて理解していくこともできるわけです。
また、法政大学では入学時に学生全員にノートPCが貸与されます。大学でPCを利用するだけでなく、自宅からリモートアクセスすることも可能になっています。とはいえ、学生が自宅で演習をするために、高価なCGソフトウェアを購入させるわけにはいきません。Shadeは同じ操作感でありながら3つのモデルがあり、Basic版は学生でも購入できる価格であることも導入理由の1つです。
【編】Shadeの良い点を挙げていただけますか?
まず、静止画がとても綺麗なので、プレゼンテーションで静止画を見せるのに向いています。それと、Python スクリプトが使えるので、学生がプログラム言語も学べること。また、国産ソフトならではの利点として、日本語のメニューやヘルプが充実していることなどです。
【編】学生作品を拝見できますか?
こちらは昨年、パリのポンピドーセンターにて開催されたシンポジウム「Advances in Architectural Geometry 2012(AAG2012)」で発表された動画作品です。
編集部注: そう仰って安藤先生は、動画作品をプロジェクターで上映してくださいました。実写映像とShadeやLumion3Dなどの3DCGを駆使して制作された作品をご覧ください。
※次のシーンなどにShadeが使用されています。
3分06秒あたり (モデリング:Shade、レンダリング:
Lumion3Dによるシーンに、
4分56秒あたり Shadeのフィジカルスカイ機能を使用しています。
AAG2012_HOSEI+SAPS from SAPS co., ltd. on Vimeo.
【編】今後のShadeに対してのご要望をお聞かせください
最近の授業ではできるだけ動画を作りたいと考えていますので、Shadeのアニメーション機能を強化して欲しいです。
それと、各種の3Dプリンターによる造形に対応して欲しいです。なぜかというと、日本図学会という、コンピュータ、建築、美術の人たちが集まる学会がありまして、そちらで「デジタルモデリングコンテスト」というコンテストを開催しています。
このコンテストに応募するには、STLフォーマットと呼ばれる3Dのフォーマットでデータを収める必要がありますので、ShadeがSTLフォーマットで出力できると助かります。
それから、複数の3Dソフトウェアを使って制作することが増えてきていますので、インポート、エクスポートされるファイルの互換性を上げて欲しいですね。
※取材当日、安藤教授が手にして見せてくださった立体モデル(画像)は、第3回デジタルモデリングコンテストで最優秀賞を獲得した「Design By Boxes」(安藤直見氏・柴田晃宏氏作)。
【編】本日は貴重なお時間をいただきまことにありがとうございました。
インタビュー後記
記事中の、法政大学校舎と立体モデルの画像は、
改めてこの場をお借りして感謝を述べさせていただきます。
Shade 3Dについてご興味がある方は、無料体験版を用意していますのでぜひご利用下さい。