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第1回:園田浩二(前編)

Shade3D 公式

第1回:園田浩二(前編)

Shadeユーザー訪問記_園田浩二

【2008年5月15日】 第1回:園田浩二(前編)

今回からはじまりました『Shadeユーザー訪問記』。 
このコーナーではShadeをお使いのユーザーの方々にご登場いただき、さまざまなテーマで語っていただく予定です。
記念すべき第一回は「Shadeの神様」こと園田浩二(そのだ こうじ)さんです。ご存じの方も多いでしょうが、園田さんはイーフロンティア(※1)の社員。 
なぜユーザー代表として登場するのでしょうか!? それは……

神様、Shade onlineに初登場

01ef(イーフロンティア・インタビューアー。以下"ef"):ちょっと意外だったのですが、園田さんはShade onlineに登場するのは初めてだとか?

園田:はい。他社さんのサイトや雑誌などにはお世話になった事があるのですが、Shade onlineには出た事がないんです。 自社サイトで署名記事とかを書いた事はあるのですが。

ef:なるほど、今回がShade onlineデビューですね。 本連載も第一回という事で互いに初めて同士ですね。 よろしくお願いします。 早速ですが、園田さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

園田:名刺の肩書きは、『エバンジェリスト』(※2)となってます。 つまり、Shadeをたくさんの方に広める仕事です。 たとえばセミナーやお店の店頭でデモなんかをやっています。 よく勘違いされるのですが、Shadeの開発者ではないのです。 開発にはどちらかというとユーザー視線で意見を言ったり、提案をするといった立場で協力しています。

ef:なるほど。 ある意味、ユーザーの代表者的な立場で開発にタッチされているという事ですね。 ところで話は変わりますが、園田さんは「Shadeの"神様"」と呼ばれていますよね?

園田:いやぁ、あれは、ねぇ? 誰が言い出したか、わからないんですよ。 僕より上手な方はたくさんいらっしゃいますし、「社員が"神様"を名乗るな!」なんて厳しいご意見をいただく事もあります。

ef:ある意味"高橋名人"(※3)みたいな物ですよね?

園田:なるほど(笑)。 確かにそんな感じかもしれません。 まぁ、僕の方は映画(※4)とかになりそうにありませんが。 だいたい"神様"といっても、僕はコンピュータはどちらかというと苦手な人なので。

ef:えぇっ! そうなんですか? それはかなり意外ですね。

神様はコンピュータが苦手!?

園田:えぇ。 僕は元々、こういったコンピュータ関係の業界にいたわけではないんですよ。 最初はピアノの調律師(※5)をやってまして。 音楽が好きだったんですよ……、というかそう思っていたんですよ。 で、しばらく調律師を続けている時に気付いたんですね。 あぁ、僕はピアノを弾くのは好きだけど調律するのは好きじゃないんだなって(笑) 
一番イヤだったのは調律に行ったご家庭で、毎回毎回同じ事を聞かれるんですよ。 「どうやったら上手になるんですか?」とか「よい練習の方法を教えてください」とか。 ノルマが一日3軒だったから、毎日3回ですよ。 僕らがピアノを買ってもらった時代は子どもが欲しがって、それでも親が無理して買ってくれていたじゃないですか。 今は、親が子どもに押しつけているご家庭があるんですよね。 なんだかそういったものを見ていると、だんだんストレスになってきちゃって……。 

ef:で、辞めちゃったと。

園田:結果的にそうなりますね(笑)。 ある日、調律の営業で使っている車を思いっきりぶつけちゃいまして。
偶然その日になんですが、知り合いの方に「ウチの会社に来ないかい?」とお誘いをいただいたんですよ。 ちょっと前に愚痴っていた事を覚えてくださったんですね。
なにか運命的なものを感じたので、即日転職しちゃいました。 でも、会社はなんだか地球防衛軍の秘密基地(※6)みたいな場所にあって、いきなりその日から一週間ぐらい泊まり込みですよ(※7) あぁ、これがコンピュータ業界なのかって(笑)。 それがたまたまShadeの開発会社だったんですね。

ef:そこからShadeとの関係がはじまった訳ですね?

園田:いえ。 まずは平面のグラフィックデザインでした。 当時は今と違ってコンピュータでデザインをやる時代じゃ無かったんですね。 紙ベースのデザインやっていました。 でも僕は独学でデザインをやってきたんで、まぁ、ある意味自由にやらせてもらってました。 当時はタイポグラフィ(※8)とかをやっている人はあまりいませんでしたから、「面白いのを作るヤツがいる」とちょっと話題になって。 ただ、独学だったせいもあって、色々なパターンを作って提案するという事はやらなかったんですね。 その時に上司に言われたんですよ。「おまえは何の自信があって1パターンしかデザインを提出しないの?」って。 実はその上司が異常なまでに拘る方で、文字を置く位置を1ミリずつずらしたパターンを全部作ってずらーっと並べて、「うーん、コレだっ!」って選ぶような人だったんですよ。 僕はね、一度作ったら「うん、この位置しかありえないじゃないか」って人だったんで、そんなの意味ないと思っていたんですよ。 で、言われて仕方なくたくさん作ったら、確かにそっちの方が完成度があがるの(笑) いや、ホント勉強になりました。

ef:今はコンピュータで簡単にできますけど、当時は大変だったんじゃないですか?

園田:えぇ。 だからコピー機が大活躍でしたね。 まぁそんな経緯もあって、ある日突然コンピュータを導入するぞ!って話になったんですが、そこからが大変。 僕は全くコンピュータってわからなくて。 一太郎(※9)でさえ立ち上げ方からわからない位で。 当時は「おまえ、よくウチの会社に入ってきたな」ってイヤミとかも言われました(笑)。 実際、3年持たないと思ってましたし...。 まぁ、苦労はしましたが、色々なソフトでそれなりの物が作れるようになって、そこで「コレ使ってみて」と渡されたのが自社開発のShadeなんです。

恐竜
映画のジュラシックパークが出たての頃だったので、 月刊誌の表紙の恐竜の仕事を見た代理店から仕事が来た訳ですが、当時は恐竜自体をモデリングする人が少なかったのでしょう。
ちなみに今は豊富に資料がありますが、このティラノ君は 大英帝国博物館のおみやげのフィギュアを元に作られてますので、 多少細身です。化石をトレースしたので、横圧縮がかかっているのかも.。(園田)

ef:あぁ、やっとShadeが登場した(笑)。 すると、Shadeもだいぶ苦労して覚えた訳ですか?

園田:いえ、渡された時はイラストレータ(※10)とかでベジエ曲線(※11)に慣れていた事もあって、そんなに苦労はしませんでしたね。  むしろ、当時はこんなに綺麗に立体が作れるソフトって他に無かったから、「あぁ、ウチの会社って凄いんだな」って漠然と思ってました(笑)。 
そんな事でShadeで作った作品が社内で話題になりまして。 例の誘ってくれた方がある日「あれ? 君、デザイナーじゃなかったの? なんでコンピュータなんか使えるの?」って(笑)。 
そりゃ、覚える前の僕を知ってたらそう思うかもしれない。

意外!? 神様の目標はアノ人

某電器メーカーの欧州向け製品プロモーション用に作った14年前のアニメの仕事。
スキン機能も旧スキップジョイント機能もなかった時代なので、体が曲がってないのはご愛嬌と言うことで。当時、尻尾や首は変形ジョイント で動かしてましたね。
(園田)
[動画再生 Quick Time形式]

園田:しゃべりながら手を動かせる人が少ないので、必然的にShadeについてデモやセミナーをする事になりました。 その時にですね、前に調律師の仕事をしていた事が役に立ちまして。 大手の楽器メーカーに所属していていた事もあって、色々話のコツみたいな物を教えてもらっていたという事もありますね。 うん、セミナーは楽しいですよ。 ただ、ついついしゃべりすぎて営業に怒られてしまうんですよね…。

ef:正直、園田さんのセミナーは時間を過ぎても延々としゃべっている事があるので、会場の方とか大丈夫なんだろうか?ってハラハラしながら見てます(笑)。

園田:すみません(笑)。 でも、みなさんにShadeを納得して買ってもらいたいので、ついついしゃべりすぎてしまうんですよね。 集まった人たちの反応とかね、見ながらやっていると「あぁ、この人はこの方面に興味があるんだな。」と感じたりする訳。 それが人によって向いている方向が違うので、その人の役に立つネタをその都度話しています。 なんて言うか、その人の向かっている先に、目標となる旗を立ててあげる感じですかね。 その時は気付かなくても、ある日突然「あぁ!」と感じてくれたらいい、と思ってます。 だから、僕のセミナーは台本がないし、同じ事をやる事はないです。 だからでしょうか、何度も通ってくれる人とかもいらっしゃるんですが、こちらからも感謝ですね。 たまに、お礼とか言われると本当に嬉しいです。 だから「45分でね」と言われても延々と2時間もしゃべっている事になっちゃう。

ef:それでは営業さんもだけど、会場を貸してくれる所からも文句言われたりしませんか?

園田:でも、僕のこういったやり方を評価してくれる所も増えてきて、とある大手販売店さんなんかだと、「その姿勢のままやってくれ」なんて言ってくださる所もあるんですよ。 今、僕はこういったやり方しかできないので、ありがたいですね。 あと、言葉って怖い物だと感じますね。 セミナーとかでしゃべった言葉を掲示板とかで書かれると「あぁ、僕って余計な事をいろいろいっているんだなぁ……」と改めて驚く事があります(笑)。 中には、そこまでひねくれた見方しなくても……という書き方もされる時もあって。 口は災いの元ってホントですね。 とにかくギャラリーは一端引きつけたら放したくないんですよ。 ある意味目標はアキハバラデパート(※12)の前とかでやっていた…、そう、マーフィー岡田(※13)さんとか。 あの人達の、通りすがりの人の心をつかんで自分の扱っている商品を魅力的にみせてしまうテクニックは凄いです。 ある意味、目標です。 僕もお客さんが気付いていない魅力的なShadeの機能をもっともっと伝えていきたいと思います。

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※1 イーフロンティア … Shadeの開発・販売を行っているコンピュータソフト会社。って、もちろんご存じですよね。通称「イーフロ」。

※2 エバンジェリスト … ある製品について、その良さを伝えようとする人の事。

※3 高橋名人 … ゲーム会社 株式会社ハドソンの名物社員の事。 ファミコンブーム時に全国のゲーム少年のあこがれとなり、彼を扱った映画やコミックなどが多数作られた。 2006年に高橋さんの正式な肩書きは"名人"になった。

※4 映画 … 高橋名人主演作『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』。この映画で高橋名人が"16連射"でスイカを割るシーンはあまりにも有名。

※5 ピアノ調律師 … ピアノの弦を正しい音が出るように調整をする人。 だいたい 一台のピアノには200本以上の弦があるそうです。

※6 地球防衛軍の秘密基地 … なんだか訳のわからないたとえであるが、その当時を知る人に聞くと「そうそう、確かにそんな感じ」だそうである。

※7 泊まり込み … なぜかコンピュータ業界の名物であった。 当時は会社に住んでいるんじゃないかと思える人が、あちこちにいたものである。

※8 タイポグラフィ … 読みやすくするため、もしくは文面が美しく見えるように文字の 大きさや位置などを変えて並べる事。

※9 一太郎 … 株式会社ジャストシステムの日本語ワープロ。 ちなみに英語表記だとJust Systemsと複数形になる。

※10 イラストレータ … 正しくはAdobe Illustrator。 アドビシステムズの製品。 Shadeと同じくベジエ曲線が特徴のグラフィックソフト。

※11 ベジエ曲線 … ドローソフトでよく使われる滑らかな曲線の事。 始点・終点とその曲がり方の3点指定する事により作画される。 正確に説明すると難しい数式が登場する事になる。 ちなみにベジエは人名。

※12 アキハバラデパート … 電気街・秋葉原にあった駅前デパート。 店頭での実演販売が名物であった。 残念ながら現在は閉館。

※13 マーフィー岡田 … 人気の店頭販売員。「見て!見て!!見て!!!」のフレーズがおなじみ。

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